大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

初夏の柏島(3)

現在柏島はボートダイビングが主流だが、昔はダイビングサービスがない状態だったため、ビーチエントリーばかりだった。20数年前のことだが… 昔よく出入りした砂浜 港に隣接する小さな砂浜からもよく出入りした。柏島を訪れるダイバーが急増した'90年代後半…

初夏の柏島(2)

柏島は海流の関係なのか、珍しい生きものが多い。それに加え、生物に詳しい各ダイビングサービスのガイド陣が切磋琢磨しているお陰で、常にレアな生物を見たり撮影できる。 サンゴ域を群れで移動するカゴカキダイ しかしそれがどんどんエスカレートし、普通…

初夏の柏島(1)

柏島で潜ってきた。2か月ぶりになる。水温は4月より約4℃上がっていて、いろいろな魚が繁殖に勤しんでいた。 柏島全景('09年8月撮影) 今回ダイビングできる日は3日間で、計8本。梅雨の最中なので天気はさほど期待していなかったが、前半はまぁまぁの天気。 …

ライブラリーからの返却ポジ

契約しているフィルムライブラリーに預けていたポジフィルムが戻ってきた。現在はどこのフィルムライブラリーもオンラインで閲覧できるシステムのため、新たに預けるのは原則的にはデータ(デジタル画像)で、すでに預けているポジフィルムは遂次データ化し…

トンガリサカタザメ

だいぶ前のことだが、今の時季になると奄美大島南部に大物が出現していた。それもピンポイントで。全長約3mもあるトンガリサカタザメだ。 3mほどのトンガリサカタザメ 大抵砂地にある根のそばに着底していて、一度だけ2尾いたこともあった。ただし警戒心強…

クマドリの模様

モンガラカワハギ科のクマドリはやや地味なせいか、注目されることが少ない。注意深く観察すると、おもしろいところがいっぱいあるのに…。 沖縄のクマドリ まず、地域変異。尾柄部(尾ビレのつけ根付近)の黒い斑紋は、太平洋のものとインド洋のものでは異な…

「小学館の図鑑NEO 新版 魚」

おととい、標記の図鑑が送られてきた。こういう図鑑には、フィルムライブラリーに預けている写真が使われることは多々あるものの、よほどでないと送ってこない。来るのは直接写真を貸した場合だ。 図鑑の表紙と裏表紙 開いてみてわかった。昨年秋に担当者か…

ハマクマノミの不思議(最終回)

日本に分布する6種のクマノミ類の繁殖期は4月~9月。ただしクマノミは低水温に強いため、沖縄・奄美などでは年間を通して産卵する。 ハマクマノミのペア どのクマノミ類も繁殖期であれば卵を世話している姿が見られるが、なぜかハマクマノミはなかなかそうい…

ハマクマノミの不思議(その3)

ハマクマノミが宿主とするタマイタダキイソギンチャクには、他のクマノミ類は相性が合わないために住むことはできない。 ハマクマノミのペアと若魚。わりあい少ない したがって、見られるのはハマクマノミのペア、ペアと若魚の計3尾、単独という順で、4尾以…

ハマクマノミの不思議(その2)

ハマクマノミは幼魚期に白帯が2本あるいは3本ある。成長につれて白帯は後ろから消え、最終的に顔のところだけが残る。 全長約3cmの幼魚 幼魚は、小さなタマイタダキイソギンチャクに単独でいることがほとんど。顔以外の白帯が消えるタイミングは、一定の大き…

ハマクマノミの不思議(その1)

日本に分布するクマノミ類は6種。それに対し、宿主(しゅくしゅ)となるイソギンチャクは約13種。クマノミ類とイソギンチャク類の組み合わせには相性がある。 タマイタダキイソギンチャクとハマクマノミ 6種の中でクマノミが最も適応性があり、10種くらいの…

しものせき水族館・海響館

西日本フク研究会を終えた翌日は、下関市立しものせき水族館・海響館に行くことに決めていた。これまで二度入館したことがあるが、海響館のスタッフと知り合う前。「ダーウィンが来た!」のロケやアマミホシゾラフグ採集の際にお世話になった。 海響館入口(…

西日本フク研究会

5月30日(土)下関唐戸魚市場(株)活魚センターに於いて「第25回 西日本フク研究会」が開催された。研究会は学者や研究者ばかりではなく、フグを扱う業者も加わっている。 研究会案内書、開催要項、講演要旨 こうしたちょっと不思議なメンバー構成には、下…