大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

サクラ咲く

東京のソメイヨシノが29日満開になった。近くの隅田公園や浅草寺周辺に、お気に入りのサクラポイントがあるので、30日に行ってみた。 墨堤(ぼくてい)の桜並木 平日にもかかわらず、大勢の方が花見に来ていた。 ちなみに隅田川の土手(特に墨田区側)を墨堤…

ナルトビエイとは?

先日、契約しているフィルムライブラリーから連絡があった。某出版社から魚の写真の依頼があり、探して欲しいとのこと。リストには「ナルトビエイ」という名もあった。聞いた覚えはあるが…『日本の海水魚』(山と渓谷社)には載っていない。 2種類の図鑑 『…

ソウシハギの防御法

カワハギ科のソウシハギは、相模湾以南の全世界の熱帯海域に分布するという。尾ビレが長いのが特徴で、全長約75cmに達する。 ヤギのそばでくつろぐソウシハギ 魚はそのときの状況や感情で体色を変化させるものが多く、本種もその例にもれない。 昼間と夜の違…

写真展「海で逢いたい」始まる!

サークル「海をみつめて」主催の写真展「海で逢いたい」東京展が、今日13時から始まった。 「海で逢いたい」の案内状 先月神戸展に展示された作品に、東京展のみの作品が約20点プラスされていて見応え十分。 たくさん来ていた 午前中は設営なので手伝うつも…

併泳する魚たち

海の魚を観察していると、陸上の野生動物の暮らし方とはだいぶ違うことに気づく。例えば「併泳」。別種同士が一緒に行動することだが、陸上動物がそうしている場面は見た覚えがない。 カマスベラとマルクチヒメジ 併泳は、ヒメジ類とベラ類の組み合わせが最…

超高感度カメラとヒカリキンメダイ

昨年ソニーから超高感度カメラ「SONYα7S」が発売された。感度はナントISO409600。実は発売されたのを知らなかった。先日テレビの情報番組で、このカメラの検証をしているのを見て初めて知った。 超高感度カメラのSONY α7S 番組では夜間の海岸やお化け屋敷の…

カンムリブダイ繁殖の論文

ナショナルジオグラフィックのメールマガジンに、カンムリブダイの生態に関する記事が出ていた。米研究チームがウェーク環礁で繁殖生態を観察し、学術誌に論文を発表したというもの。 カンムリブダイ(ラジャアンパット) ウェーク環礁とは米国領で、マーシ…

春告魚

四季がある日本には、季節の移り変わりを表す味わい深い言葉が多い。春告魚(はるつげうお)もそのひとつ。文字どおり春を告げる魚のこと。春先によく捕れる旬の魚のことをいい、地方によって異なる。 メバル 北海道ではニシンを指すようだが、沖合を回遊す…

サンゴの日にちなんで

一昨日は語呂合わせで「サンゴの日」だった。サンゴやサンゴ礁は、ダイビングを始めた当初からの憧れ。いつか南の海で潜りたいと思い続けていた。 ミドリイシの仲間の産卵('94.6) 実現したのが5~6年後で、返還前の石垣島を皮切りに、以降は沖縄本島、慶良…

ダルマガレイ科の日本初記録種

先日、魚類研究者の片山英里さんからメールをいただいた。片山さんは国立科学博物館・動物研究部の研究員で、昨年5月にミステリーサークルをつくるフグの調査で奄美に同行したことで知り合いになった。 ミステリーサークルと調査団 ベラギンポ科とダルマガレ…

コブシメの季節(3)

コブシメが産卵するサンゴは数種あり、隙間が複雑な構造をしたサンゴを選ぶ。卵が魚などに狙われないことはもちろん、潮に流されないようにするためだ。 ウスサザナミサンゴに産卵中 慶良間でコブシメが産卵に選ぶサンゴは、ウスサザナミサンゴとユビエダハ…

コブシメの季節(2)

昔('96年)、NHK「生きもの地球紀行」でコブシメのロケをした際、3週間観察したことがある。メスがサンゴの隙間に産卵する間、オスは近くで待っている。産卵は続けて数回行われる。 産卵するメス(右)とオス 受精の仕組みはよく知らないが、交接したときに…

コブシメの季節(1)

早いものでもう3月。沖縄ではコブシメの季節になった。多少ずれることもあるが、だいたい3月~5月が繁殖期に当たり、沿岸でよく見られるようになる。 産卵場に集まるコブシメ コブシメは50cm以上になる大型のイカで、コウイカ科に属する。繁殖期には1匹のオ…